| 今月の注目のアクター | 内野聖陽 |
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うちの・まさあき。'68年生まれ。神奈川県出身。文学座所属。'94年デビュー。舞台のほか、NHK大河『風林火山』の山本勘助役や、『ゴンゾウ~伝説の刑事』など、多くのテレビドラマに出演。8年ぶりの映画となる『あかね空』('07年)に続く映画出演が『252 生存者あり』となる。
http://www.uchinomasaaki.jp/
'08年/日本/配給:ワーナー・ブラザーズ映画/全国ロードショー/監督:水田伸生/出演:伊藤英明ほか
超巨大台風にも押し流されない誇りと愛
巨大台風の影響で高潮に襲われた東京。祐司と娘のしおりは、地下鉄新橋駅を襲った洪水による崩落事故のため、地下に閉じこめられてしまう。元ハイパーレスキューの祐司は、見知らぬ3人と「252」のサインを送り続け、脱出を諦めない。一方、祐司の兄でハイパーレスキュー隊隊長の静馬は、弟を心配すると同時に、人命救助と隊員の安全の板挟みに苦しむ。
内野聖陽が本作で演じたのは、ハイパーレスキューの隊長・静馬役。その名の通り、冷静であり、俊敏で力強さが滲み出る隊長というキャラクターは、撮影前のトレーニングでつかんでいった。
「1カ月半前くらいから、消防署のハイパーレスキューさんたちと一緒に、同じトレーニングをしました。命を賭ける被災現場に行ったことがない僕らが、男たちの凄まじい生き様を体現するためには、どれくらいの緊迫感や緊張感で臨んでいるかを知る必要があったんです。そのためには、日々の訓練をして、体に染みこませるしかないと思ったんです」
隊員役を演じる役者は皆、瓦礫、交通事故、火災などの現場から人を救出する訓練を何度も繰り返した。そのなかで内野が注視したのはもちろん、隊を率いる隊長である。
「訓練終了後、隊長さんをつかまえて、隊長としての誇り、喜び、悔しさ、苦しさといった、メンタルな部分について、いろいろとお訊きしました。するとやはり、どうしても助け出せなかった屈辱や苦しみを抱えていらっしゃるんです。僕が演じた静馬という人間も、そういった傷を心に抱えている男。隊長さんのお話を聞いて、静馬を人間としての強さと弱さ、両方を兼ね備えた人間にしたいなと思いました」
本作の水田監督は、内野が想定した静馬のバックグラウンドの細かさに、相当驚いたという。
「正直、兄弟愛がピンと来なかったんです。でも、静馬にとっての唯一の肉親が弟だけということならば納得できる。祐司は妻と娘がいるけれど、静馬は天涯孤独の人間なんじゃないか。そんなところから、彼の人生の歴史を考えていきました」
このアプローチが静馬という人間に深みを与え、CGに負けない存在感を生んだ。
「一役者として、日本のCG技術がここまで進歩したからこそ、人間の生き様みたいなものを強烈に描いている作品に参加できたら幸せです。この作品に描かれているのも、愛する者を救いたいときにこそ、人は強くなれるということ。観た方がそれを感じ取ってくれたら嬉しいです」





