| 今月の注目のアクター | 堺雅人 |
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さかい・まさと…1973 年生まれ。宮崎県出身。NHK「新撰組!」「篤姫」で人気を集める。最新作『南極料理人』が公開中。主演作『ゴールデンスランバー』は来年正月第二弾公開予定。雑誌の連載をまとめた初のエッセイ集「文・堺雅人」(SANEKI-BOOKS) が8月28日に発売されたばかり。
'09年/日/113分/監督:吉田大八/配給:ショウゲート/渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国ロードショー
トンデモ結婚詐欺師がモデルの人間ドラマ
時代は湾岸戦争が始まった'90年代初頭。“36歳アメリカ人、職業は米軍特殊部隊ジェットパイロット、父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹のいとこ”という経歴を名乗り、片言の日本語で女性をくどく結婚詐欺クヒオ大佐の物語。クヒオのターゲットとして3人の女性が登場。それぞれの関係性を通して、人間の孤独、愚かさ、したたかさなどを、おかしみとともに描き出す。
堺雅人の『南極料理人』に続く主演作『クヒオ大佐』が上映開始。本作で彼は、米軍特殊部隊ジェットパイロットを騙る日本人結婚詐欺師・クヒオ大佐を演じている。「実在の事件ということで、記事や原作のルポルタージュを読んでみたところ、中年男の悲哀のようなものを感じました。でも、クヒオのことを考えれば考えるほど、彼が何をやりたかったのかも、なぜ女性たちはこんな男に欺されたのかも分からない。結果的に、クヒオは非常に匂いが希薄で、抽象的な存在になったと思います」
どこかファンタジーの住人のようなクヒオが狙うのは、仕出し弁当店を切り盛りするしのぶ(松雪泰子)、自然科学館の学芸員・春(満島ひかり)、銀座のホステス・未知子(中村優子)といった女性3人。
「撮影中は、女優さんたちのクヒオへの反応を見て、“あぁ、クヒオはこの人が好きになるような人なんだろうな”というように、女優さんたちを鏡にして、クヒオという人物を追確認する作業をしていました」
女性が変わると、クヒオの態度もいちいち変わるのが面白い。
「そうですね。しのぶには、長年連れ添った夫婦のように、高圧的にも見える態度が出る。春さんには、歌うようなフレージングでたまにまくしたてたりもする。そして未知子には落ち着きのあるダンディな男を気取っていました」
そんなクヒオに三者三様の方法で欺される女性たちが惨めに見えないのがこの作品の魅力である。特にしのぶと春は、欺す、欺されるの次元を超えた場所にいる。
「作品を観たときに、クヒオという男の存在の頼りなさと、三人の女の存在の力強さの対比は印象的でした。
“生きてる!”という感じがするのは女性たちだし、クヒオは一生懸命仕掛けているけれどいまひとつ実感がわいていない感じがします。正直なところ、いまだにクヒオのことがよく分からなくてフワフワしています(笑)。こんな感覚のままお客様に届けるのはほぼ初めてだからこそ、ご覧になった方の感想をいろいろ聞いてみたい作品です」





